【温故知新】古来の知恵を日常生活にどう活かすかvol.5・行雲流水

温故知新

「行雲流水」・こううんりゅうすい・

空に浮かぶ雲や川を流れる水のように、自然の成り行きに身を任せて悠々と生きていく。

物事への強いこだわりはあるがままの状態を受け入れることで執着から解き放されて、心が安定していくという禅の教えです。

結局はナチュラルが心地よい

大空にゆったりと浮かぶ真っ白な雲、さらさらと清らかに流れる川の水。雲も水も一か所に留まることなく、流れに身をゆだね動き続けている。概念やかたちに固執しないで、他の力に逆らわず成り行き任せでいた方が、案外うまくいくものなのかもしれません。

人は山あり谷ありの人生経験をするうちに、自分をさらけ出して生きていくことが難しくなっていくようです。順風満帆とはいかぬ人生を自然体で生きぬくためには、潔さも必要です。

人が生きるうえで”こうでなければならない”と決められたことなど何もありません。見栄を張ったり自分を飾ったりしないで、ありのままの姿を表現すれば良いはずなのです。表面的な事柄を気にして一度でも自分を偽って見せたとしたら、ずっと偽り続けないといけません。それでは苦しみから解放されず心休まることもないでしょう。肩の力を抜いていつも穏やかな本来の自分でいたいですね。

”風の吹くまま気の向くまま”寅さん流の行雲流水

「行雲」というのは、諸国を行脚する禅僧に例えられることもあります。ふと、そんな修行僧とカバンひとつで自由気ままな流浪の旅をする「フーテンの寅さん」の姿が重なってみえたのです。どんな時でも自分流を貫きながら、風に身を任せてゆらりゆらりと流れていく。

物事を淡々と受け止める大らかさと、たくましさを持った寅さんはまさに「行雲流水」な生き様ではないかと感じます。あんな風にのびのびと人生を謳歌できたらいいなあと思うものの、スクリーンの中の話しなので現実にはなかなか難しいところですね。

その寅さんシリーズの中でとても印象的なセリフがあります。思春期の甥っ子が「人間は何のため生きてんのかな?」とつぶやいたのに対し、寅さんはああ、生まれてきて良かったな・・って思うことが何べんかあるじゃない、ね?・・そのために人間生きてんじゃねえのか・・”と優しく言った言葉です。

破天荒でありながら、相手を尊重するような人間味のある問答が寅さんらしいなと思えたのです。

貴方が「生まれてきて良かった」と感じる時というのは、いったいどんな瞬間でしょうか?人の価値観によって内容は様々であっても、心揺さぶられる程の喜びや感動の出来事があった時なのでしょうね。

そして「生まれてきて良かった」と思う瞬間は、間違いなく自分を大切に感じているはずですよね。自分を敬うことができた時は、心が満たされて幸福感に包まれています。だから「生まれてきて良かった」と思えること自体が、とても幸せな状態なんだといえるのではないでしょうか。

天寿を全うして人生の幕を閉じる時に「我が人生、悔いなし」と言うことが出来たら、それは究極の幸せかもしれませんね。

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