多彩な才能は世界レベル
海外移住から20年ぶりに帰国した私は、今どきの日本の若者たちにとても驚かされました。多岐に渡る分野で発揮される優れた能力には目を見張るものがあり、国内外で活躍する若者が大勢います。
スポーツ・芸術・音楽・ダンス・文化芸能・ファッション・美容・テクノロジー・医療・ビジネスや学問の分野でも一芸どころか二芸も三芸にも秀でていて本当に感心させられます。
「一芸に秀でる者は多芸に通ず」ということわざがありますが、一つのことで道を極められる人は他のことでも際立つことができるとは、一芸もない者にとっては羨ましい限りです。
いったい、いつの間に日本の若者はこんなに優秀になったのでしょうか?
これからの日本を背負っている新世代の若者を、シニア目線で考察します。
【自由人というポテンシャル】

若き原石たちの開花は、隠れた才能が突然に弾けだしたかのようです。ひと昔前の根性や努力といった重苦しさは無く、何事もさらりとやってのけてとてもスマート。一生懸命な姿を見せないのが「いま風」であるのか、張り詰めた雰囲気がなく遊び心さえ感じさせます。
物怖じしない度胸と行動力があり、自己プロデュース能力も備えているので小さな世界には留まりません。自身の感性で視野を広げ、独自のスタイルを貫いている姿は「自由人」という言葉がピッタリはまります。又「好きなことを楽しんでやっている」という潔さは見る者を爽快な気分にさせてくれます。
「人と違うからダメ」とか「こうあらねばならない」といった古くさい価値観に負けない芯の強さが、非凡な能力を埋もれさせることがなかったのでしょう。今の時代、本人の意志さえあれば好きなことを追求できる環境や情報・コニュニティーが簡単に手に入る世の中なのだと痛感します。
先日、YouTubeで若い男性が「人と違うものを持っていることが武器だ」とごく当たり前に言っていてハッとさせられました。私自身、同調することを良しとした時代に育ち「人と違う事は良くない事」と刷り込まれて教育されてきた気がします。「個性」とか「自己主張」なんて考えたこともありません。
幼い頃から他の子とちょっと違った感性を持っていた私はそれがコンプレックスであって、なるべく目立たぬようにしていたものです。ところが時代は流れ、短所だと思っていたことが長所へと変換した。ルールに縛られずに自由に生きられる社会がくるとは、あの頃は思ってもいなかったことです。
個性的で自由な発想が広まり、ルールや古い固定観念を塗り替え若い世代が新しい社会を切り開いています。彼らがせっかく新たなレールを敷いてくれたのだから、シニアの皆様も自分の殻を破ってどんどん新しい事に挑戦していったら良いかと思います。
老年期のある調査で、人生の終盤になって後悔していることについての回答は「もっと自分優先で我が道を歩めばよかった」「もっと自分の気持ちに正直にやりたいことをやれば良かった」という悔いが多かったそうです。
我々シニアはそんな後悔をしないために、個性を磨き堂々と恥ずかしがらずに表現して参りましょう。自分だけのオリジナルな人生を描く事が、今からでも出来るのかと思うととてもワクワクしてきます。

【偉才を放つ人の幸福感の在り方】
日本の若き精鋭たちは、メディアでも度々取り上げられているので皆さんも周知の事実だと思います。ただ光が当たっているのは限られたごく一部の人であって、たとえ潜在能力をもっていてもプラスに転換できない若者の方が大多数なのではないでしょうか。
世界の若者に向けた調査では、日本人は諸外国に比べて「自己評価と自己肯定感」がとても低く、「幸福度」も低いということです。確かに、今の若い世代には妙に冷めた感じがあるので、これはリアルな結果なのかもしれません。
無気力やニート、長い間外に出られずに家に引きこもる人、心に傷を抱えた若者も多いのではないでしょうか。チャンスや境遇に恵まれずに、苦悩している人がいるのではないかと思います。
我々世代からするとせっかくの若さを存分に発揮しないのは「もったいない」と思いますが、何をどうチョイスするかも選択の自由なので、これも又「多様化」のひとつということでしょうか。
社会がそれほど複雑ではなかった頃は「ただ、がむしゃらに」進んでいけば良かったけど、今は頑張り過ぎると心が壊れてしまったりもするので、簡単に「がんばれ!」とは言えないですよね。でも後になって「こうしておけば良かった」と後悔の念に駆られない様に自分らしくはあって欲しいです。
才能を開花させられるかどうかは、承認欲求の強さがモチベーションにつながってきます。強い気持ちでやり続けて経験を重ねれば、その成功体験が自己肯定に結び付くものです。
人生においてやりたいことを発見できたか否か、そしてそれを行動することができたかどうかは「幸福感」の大きな分かれ道になる気がします。

【アッパレな日本の若者たち】
前述の国別比較での自己評価や自己肯定感の低さですが、これは文化の違いがあるので仕方のない事。かつてから欧米教育は、自己主張ができて自信のもてる子供を育ててきました。一方日本では、思いやりがあり温和で感情的に安定した子を育むという教育方針であったかと思います。
では時代が変わったのだから、欧米にならって自己主張を強くすればもっと良くなるのでしょうか?長い間私たち日本人は、謙虚や調和・共感を美学とした譲り合いの精神で培ってきた土壌があります。進化したとはいえ、あからさまな強い主張は日本社会で受け入れられるとは考えにくいものです。
日本人特有の美点を捨ててまで”人マネ”をしなくても良いのではないか。では、日本人らしさを表現するにはどうやったら良いのでしょうか?
戦い・奪い合うことよりも共存する、自分のことも認めるし他の人・ライバルも認める包容力を育む。向上心を持ちながら争わずに、秘めたる闘志を燃やす姿勢というのがやはり日本人に向いているのではないでしょうか。そして、有能な若き原石たちはそんなものをすでに手に入れている気がするのです。
地球上の天変地異で、明日は何が起こるかわからない状況で社会的成功や富・物質の所有が意味を持たないものになるかもしれません。有事の際は人間の力・マンパワーが底力を発揮して欲しいですね。
これからの日本の未来を担った若き精鋭の彼らに心から期待をしています。あっぱれ日本の若者たち!



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