【旧暦・神無月は新暦では11月頃】八百万の神は出雲大社で何をするのか?

トレンド雑記

暦の成り立ち

和風月名(旧暦で使われていた月の呼び名)

1月・睦月(むつき)
2月・如月(きさらぎ)
3月・弥生(やよい)
4月・卯月(うづき)
5月・皐月(さつき)
6月・水無月(みなづき)
7月・文月(ふみつき)
8月・葉月(はづき)
9月・長月(ながつき)
10月・神無月(かんなづき)
11月・霜月(しもづき)
12月・師走(しわす)

太陰暦と太陽暦

古くから世界で使われていた太陰暦は、の満ち欠けから割り出された暦です。中国から朝鮮半島を経て日本に伝わり、飛鳥時代には日本独自の大和暦(太陰太陽暦)がつくられました。

旧暦太陰太陽暦から、現在使われている太陽暦(1月~12月)になったのは明治5年です。近代化を進める明治政府は欧米との統一を図るべく、当時の首相・大隈重信主導のもとに太陽暦(グレゴリオ暦)へ改暦しました。

天体の動きによって暦が作られるのですが旧暦は月の周期、新暦では太陽の周期を基準としているのでそれぞれの日数に誤差が生じてきます。
が地球を回る周期から割り出すと、354日(旧暦の1年間)/地球が太陽を回る周期から割り出すと約365日(新暦の1年間)で、年におよそ11日間もの差がでてくるのです。

旧暦は、大の月(30日間)と小の月(29日間)を設けて季節と暦を合わせる工夫をしています。
それでも次第にズレが大きくなってくるため、2~3年に一度は閏月(うるうづき)を入れ1年を13か月にすることでさらに調節していたようです。

一方の新暦(太陽暦)では、一年を12か月と決め4年に一度ほど閏年(うるうどし)を設けています。(閏日として2月29日を一日だけ増やす)

二十四節気と雑節

二十四節気とは、一年を四季や気候で24に分割して表した古代中国の暦です。季節の移り変わりを折り込んであるので、農耕作業や祭りなど行事の際の指標として今でも広く利用されています。

立春・春分・夏至・秋分・冬至など季節を表す言葉として私たちも用いているので皆さんもご存じかと思いますが、日本の実際の気候とはひと月ほどのズレがあります。例えば、2月上旬の立春で「暦のうえでは今日から春です」と言いますが、現実にはまだ冬真っ盛りですのであまりピンとこないですよね。

又、雑節も季節ごとの行事などを歴日として現在でも使っている節気です。
社日=年2回その土地の神様に感謝を捧げる(春には豊作を祈り、秋には成熟を祝う)
節分=立春の前日に邪気を払い福と春を呼び込む行事(豆まき・恵方巻)
彼岸=年2回春分と秋分の前後3日ずつ計7日間でご先祖様を敬う
八十八夜=立春から88日目の縁起の良い日(茶摘み・種まき・田植えの目安の日)
入梅=梅雨入りを知らせる。・・などが雑節となります。

多少のズレがあっても季節の先取りと考えれば、節気というのは風情ある慣習であるかもしれません。

出雲の国の神話

神無月と神在月

全国の神々は、「神無月」に出雲大社に参集します。日本各地の神社には神様が不在になることから「神無月」といわれるようになったそうです。それに対して出雲では、各地から神々が集まってくるので「神在月」と呼ばれています。

例年600万人を超える参拝者が訪れる出雲大社ですが、一年で一番多く人が集まるのが神在月ということです。
出雲大社」は、日本屈指のパワースポットであり縁結びの神としても有名ですね。
主祭神はだいこく様でお馴染みの「大国主大神」。(おおくにぬしのおおのかみ=以下オオクニヌシ
数々の神話の舞台、出雲の国を繫栄させたオオクニヌシが「天照大神」(あまてらすおおみかみ=以下アマテラス)に国を譲る際に造らせた神殿が出雲大社の始まりです。

神無月(かんなづき)は旧暦では10月ですが、現在の新暦では一か月程あとの11月に当たります。
神在月の11月、出雲大社周辺では「神迎祭」のお迎えに始まって「神等去出祭」でお見送りする「神在祭」の約一か月間は、各所で神事や祭典が連日行われることになります。

「神在祭」では神謀り(かむはかり)という八百万の神が様々な取決めをする重要な会合を行います。縁結びや来年の酒造り・農作などを話し合う会議といったところです。縁結びといっても男女をマッチングさせるだけでなく、生きとし生けるものが共に豊かに栄えていくための尊いご縁を結びつけます。
一年のうち神在月の間だけは、出雲大社祭神が日本を統治しているということで出雲の国に集まった八百万の神は、オオクニヌシから下知を受けることができるのです。

神無月の由来には諸説あって、神無月の「無」というのは神がいないという表意文字ではなく、強調の働きをする表音文字の「~の」という意味で「神の月=神を祀る月」だという説も存在します。

何故、神々は出雲に集うのか?

遥か昔まだ日本という国が存在しなかった頃、天と地が別れて「世」が始まった。天上世界にはたくさんの神々が住み、やがて地上へと舞い降りていきます。
そして、最古の夫婦神であるイザナギ(男神)とイザナミ(女神)が現れて日本の国土を誕生(国生み)させていきます。そしてイザナミは国生みの後に、八百万の神を次々と生み出していくのです。
神々の母神であるイザナミが崩御したのは10月(神無月)で、出雲に埋葬された母を偲んで毎年出雲に集まるのだとも云われています。

又、陰陽の考え方では「万物は陰と陽の対立する二つの原理により成り立つ」と伝えられています。
陰陽説によると「極陰の(旧暦の10月)・極陰の場所(中央からみて北西の出雲)にすべての陽(神様)が集うことで世界が再生する」。ですから神無月に神々が出雲に集まるのは必然なのです。

出雲に行かない神様

イザナミが亡くなってからのちに、イザナギの左目からアマテラスが生まれ、弟のスサノオはイザナギの鼻から生まれました。そのスサノオの子孫が出雲大社の主祭神オオクニヌシです。

出雲に大国をつくったオオクニヌシは「国づくりの神」として称えられてきましたが、のちにアマテラスに国を譲り(国譲り)壮大な宮殿の出雲大社で、目には見えない人知を超えたことや神々のこと(幽事)を支配するようになります。

一方、太陽を司る女神・アマテラスは天皇の祖神で尊い神として、伊勢神宮の内宮をはじめ全国各地に祀られています。
オオクニヌシから国を譲られ神々の最高峰として日本の政治(まつりごと)を治めることになります。
アマテラス系の「天津神」と呼ばれる神は、神無月に出雲に行かず留守神として土地を守っています。

また別の説では、全国各地の神もその土地から動くことなく地域を守っていて出雲に行くのは分け御霊(分身)であるともいわれています。

出雲大社の豆知識

参拝の仕方

神を祀る神社ができる前の日本の宗教は、絶対神のいない多神教の神道で「あらゆるものに神が宿る」と考えられていた。自然信仰が神聖視されて、地域に根付く土着の信仰であったのです。

参拝とは神仏や祖先の御霊に祈りを捧げるものなので、心を込めてお参りすることが一番なのですが失礼のない様にマナーや作法を知っておくことも大切なのではないでしょうか。

参拝作法は神社や地域によって異なりますが一般的な方法を記します(看板がある場合は表示に従う)

  • 鳥居をくぐる前に軽く一礼をする(鳥居の内は神の領域である神聖な場所)
  • 手水舎で心身を清める(左手→右手→口→左手→ひしゃくの柄の順に一杯の水で行うと良い
  • 参道の真ん中を歩かない(正中は神の道)
  • を鳴らしてお賽銭を入れる
  • 参拝【二礼・二拍手・一礼】手をピッタリと合わせない(右手を少し下にずらす)
  • 鳥居から出る際も向き直って一礼をする

出雲大社が他の神社と異なる点
鳥居は4つ設けられていますが、どこから入っても全部をくぐっても良いようです
・参道は左側を通行します(帰りは右側通行)
・本殿前で軽く一礼後、参拝する【二礼・四拍手・一礼】かしわ手は静かに4回打ちますが、実はこれも略式で八拍手が正式なかたちです(5月の大祭礼でおこなわれる)

・本殿を参拝後は、反時計回りで境内を参拝します(広い境内には拝殿・本殿の他、多くの社や施設が点在していますが、その全てを同様の作法【二礼・四拍手・一礼】で参拝します

古くから神社のをお守りとして持ち帰る習慣があります。出雲大社の1km西にあるパワースポット稲佐の浜で採ってきた砂と交換するのが正しい作法です。
(稲佐の浜の砂を素鵞社の木箱に供えて、かわりに清められた御砂を頂いて帰る)

神社としては日本最大の御本殿をもつ出雲大社ですが、各所には歴史やいわれがあります。せっかくお参りするのですから事前に調べて、自分なりのコースプランを立てるとより心に残る参拝となります。

出雲の名物

出雲大社がある島根県は、美しい自然に育まれた豊かな食材で郷土の味と食文化が堪能できます。

出雲ぜんざい餅]神在祭で振舞われた神在餅(じんざいもち)がぜんざいの元祖です。街のいたるところで出雲産大納言小豆を使用した様々な出雲ぜんざいが食べられます。

出雲そば]のど越しが良い出雲そばは、ビタミン・ミネラルも豊富で地元でも大人気。ソバの実を殻ごと挽くので色が濃く風味が豊かです。そばつゆは全体的に甘めでまろやか。
冷たい割子そばと、温かい釜あげそばがありますがどちらもつゆを直接かけて食べるのが出雲ならではの食べ方です。

大和しじみ]海水と淡水が混じり合う汽水湖の宍道湖で採れた大きなしじみ。旨味成分・しじみエキスたっぷりの島根を代表する名産品です。大粒なので各種料理に使えるのが特徴です。常温保存可能な加熱処理済の真空パックや、冷凍しじみもあるのでお土産にピッタリではないでしょうか。

その他にも、コシヒカリブランドの仁多米/黒部和牛のしまね和牛/磯の香りの高級のり十六島のり
日本海に面した島根では海の幸も豊富にあります。

グルメスポットは正門前のご縁横丁という神門通りやその周辺で、最新スイーツやご当地グルメが味わえるようです。お参りのあとには街歩きを楽しんでみるのも良いですね

文化庁の調査では、神社離れで参拝客が少なくなりこの10年は国内の神社が減少し続けているということです。ところが出雲大社は、コロナ禍以降以前を上回る参拝客が訪れているそうです。
日本の文化・伝統を絶やさぬためにもたまには身近な神社にお参りに行かれてはいかがでしょうか?

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